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ジャクソンホールでのFRB議長講演を受けた利上げリスク、中東情勢によるインフレ圧力、米加貿易摩擦、米長期金利・株価・中国財政まで、世界経済の最新リスクを分析します。

Trade tariffs

鉄鋼は製造業、建設、インフラの基幹資材であり、アジアにおける送電網拡張や高度な産業サプライチェーンの発展において重要性を高めています。しかし、アジア各国による中国からの鉄鋼輸入急増は、必ずしも受け入れ国側の産業サイクルの力強さをそのまま示すものではないと分析されています。2022年から2025年にかけた中国からの出荷増の大部分は、受入国の実質的な消費拡大ではなく、中国側の市場シェア拡大(他の供給の代替)に起因していると当社のシフト・シェア分解分析は示しています。インドのみが真の投資需要に裏打ちされた例外とみられる一方、他国では安価な中国製鉄鋼の流入に伴う貿易防衛策の強化や、製品仕様のシフト(半製品や高付加価値品への移行)が進む可能性が指摘されています。

Business doing exports and imports globally

近年、中国からの急速な輸出圧力(中国ショック)がEUの重要政策課題に浮上しており、新たな防衛措置の策定が進められています。現行の暫定的な防衛策では、中国から押し寄せる広範なマクロレベルの輸入急増に対抗しきれておらず、2024年の電気自動車(EV)への関税引き上げ後も、対象外であるハイブリッド車やガソリン車の輸入急増を招くなど、ミクロレベルの対策における限界が露呈していると指摘されています。EU首脳陣は現状の通商不均衡の維持は不可能であるとの認識を強めており、欧州委員会に対して既存のツールを基盤とした実効性のある新たな貿易防衛策の策定を指示したと報じられています。当社のエコノミストは、今後交渉による解決を模索しつつも通商摩擦がエスカレートするシナリオを予測しており、中国側の強力な報復や全面的な貿易戦争へと発展するリスクについて検証しています。

地政学リスクや関税の不確実性を背景に、「中国+1」への期待が高まっています。しかし、中国は依然として世界の製造業シェアを拡大しています。当社エコノミストは、中国の競争力やサプライチェーンの優位性から、他のアジア新興国への生産移転は限定的にとどまると分析しています。

地政学的な緊張の高まりを背景に、欧州加盟国は防衛予算の大幅な増額を急ピッチで進めています。最新のNATOデータによると、加盟各国の防衛支出(対GDP比)は軒並み上昇傾向にあり、EU全体の防衛支出総額は2024年から大幅に加速しています。しかし、この大規模な再軍備が欧州経済全体を大きく押し上げるかというと、過度な期待は禁物であると当社のエコノミストは分析しています。防衛生産能力の不足に起因するボトルネックやインフレ圧力、そして海外市場への需要流出(輸入漏出)といった構造的課題が、成長への直接的な恩恵を抑制する要因となっているためです。

global scenario on us tariff

失効期限を迎えるセクション122関税に代わる措置として導入される新たなセクション301関税により、7月下旬以降の関税率はわずかに上昇する見込みです。また、現在も複数の調査が進行しており、リスクは上振れ方向に傾いています。

アラブ首長国連邦(UAE)は、約60年間に及ぶOPECおよびOPEC+からの脱退を発表しました 。この決定は、減産協調によって原油価格を下支えするこれまでのグループ戦略と、自国の生産能力拡大方針との間の長期的な方向性の違いを反映したものとみられます 。