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欧州連合(EU)は2026年6月、技術主権と経済安保の強化を掲げて「半導体法2.0(Chips Act 2.0)」を提唱しました。しかし、構造的な製造コストの高さが足かせとなり、2030年までに世界の半導体生産シェアを20%へ引き上げるという同領域の目標達成は困難であると見込まれています。2025年時点のEUにおける電子部品・基板(半導体を含む)の世界生産シェアはわずか4%強にとどまっており、今回の改正案では対象範囲が設計から材料、装置、後工程まで広げられたことで政策の焦点が曖昧化(分散)し、さらに明確な新規予算の裏付けも欠いていると指摘されています。当社のエコノミストは、エネルギー・人件費・資本コストの高さや規制の複雑さが投資の引き寄せを阻み、2030年までにEUの世界シェアは3.2%へさらに低下する可能性が高いと分析しています。

Business doing exports and imports globally

近年、中国からの急速な輸出圧力(中国ショック)がEUの重要政策課題に浮上しており、新たな防衛措置の策定が進められています。現行の暫定的な防衛策では、中国から押し寄せる広範なマクロレベルの輸入急増に対抗しきれておらず、2024年の電気自動車(EV)への関税引き上げ後も、対象外であるハイブリッド車やガソリン車の輸入急増を招くなど、ミクロレベルの対策における限界が露呈していると指摘されています。EU首脳陣は現状の通商不均衡の維持は不可能であるとの認識を強めており、欧州委員会に対して既存のツールを基盤とした実効性のある新たな貿易防衛策の策定を指示したと報じられています。当社のエコノミストは、今後交渉による解決を模索しつつも通商摩擦がエスカレートするシナリオを予測しており、中国側の強力な報復や全面的な貿易戦争へと発展するリスクについて検証しています。

地政学的な緊張の高まりを背景に、欧州加盟国は防衛予算の大幅な増額を急ピッチで進めています。最新のNATOデータによると、加盟各国の防衛支出(対GDP比)は軒並み上昇傾向にあり、EU全体の防衛支出総額は2024年から大幅に加速しています。しかし、この大規模な再軍備が欧州経済全体を大きく押し上げるかというと、過度な期待は禁物であると当社のエコノミストは分析しています。防衛生産能力の不足に起因するボトルネックやインフレ圧力、そして海外市場への需要流出(輸入漏出)といった構造的課題が、成長への直接的な恩恵を抑制する要因となっているためです。

英国の脆弱な財政ポジションは、他国に比べてグローバルな経済ショックに対して非常に脆い状態にあると指摘されています。市場の信頼を維持するためには、持続的な財政改善に向けた強力かつ一貫性のある政策ストーリーが不可欠ですが、現政権はその道筋を描き切れず、政治的動揺が国債利回り(ギルト)のさらなる上昇(イールドカーブのスティープ化)を招くリスクが懸念されています。公的資産の乏しさや物価連動債の比率の高さといった構造的弱みに加え、度重なる緊縮計画の先送りによって市場の信認不足が深刻化していると当社のエコノミストは分析しています。